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ツイッターで見つけた英語記事を和訳しています。

中国の地下鉄で顔認証による徴収を試験運用

顔認証で地下鉄に乗車することはそれほど遠い未来の出来事ではないようだ。South China Morning Postの報道によると、中国のハイテク企業のメッカ、深セン市にある駅で、5Gネットワークの顔認証を使った地下鉄の試験的運用が始まった。

 

この試みは当面のところ一つの駅だけに限定しており、識別が難しい双子でも正常に利用できるか、今のところ定かではない。普段はスマホや乗車券をタッチして通る改札口で、スクリーンに顔をスキャンすれば通過できる。運賃は事前にリンクしておいた口座から自動的に引き落とされる形だ。そのため、利用するためには地下鉄用のアカウントに自身の顔のデータと支払い方法を事前に登録しておく必要がある。

 

このシステムにはいくつかの利点がある。たとえば乗客は定期券を忘れたり、所持金が足りないといった心配はなくなるだろう。しかしそれと同時に、地下鉄を利用して出かける度に顔情報を元に監視されていると言えないだろうか。これまで以上に監視が厳しくなっている恐れがある。中国の多くの大都市は既に広範囲に渡る監視カメラシステムを設置しており、市民の顔、年齢、性別、その地域の滞在期間などを記録しているのだ。

 

顔認証技術のアルゴリズム深セン地下鉄とスマホメーカーのHuawei社が提携して監督した研究室で開発された。深セン地下鉄は全駅および地下鉄における実装についてタイムラインをまだ発表していない。我々はHuawei社に対してコメントを要請した。

 

顔認証を利用した支払いシステムが地下鉄で導入されたのは今回が初めてだが、実際には目新しいものではない。2017年から中国全域のKFCの店舗では、顔認証でチキンを購入することができるようになっている。

 

携帯機器を使った支払い方式は、中国がアメリカを先んじている。2018年には中国全土の半分で携帯機器での支払いが可能になっている。特にWeChat PayやAlipayを介した支払いがあまりにも普及したため、中国人民銀行は現金での支払いや外見を理由に入店拒否しないよう、商業施設に警告せざるを得なくなった。卑近な一例だが、筆者が去年中国を訪れた際にも、金庫に釣り銭を用意していないからといって現金での支払いを断る店もあった。

 

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